COVID-19 Impact on Pharmaceutical Packaging in Chemicals and Materials Industry

グリーンランドの氷河融解水に含まれる高濃度水銀:

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  • 2021年7月23日

新たな研究によると、グリーンランド氷床に関連する河川やフィヨルドの有毒元素である水銀の濃度は、中国の工業地帯の河川に匹敵する。フロリダ州立大学およびドイツ地球科学研究センターのポスドク研究員であるジョン・ホーキングス氏によると、グリーンランド南西部で採取された氷河の融解水には驚くほど高いレベルの水銀が含まれていた。この水銀がどのようにして食物連鎖に入り込むのか、氷河の融解がいくつかの地域にどのような影響を与えるのかなど、多くの疑問が浮上している。この国際研究は、ホーキングス氏とブリストル大学キャボット環境研究所教授の氷河学者ジェマ・ワダム氏の共同研究として始まった。研究者らはまず、氷床に沿った3つの異なる河川と2つのフィヨルドから水のサンプルを採取し、氷河の融解水の質と、この融解水の栄養素が沿岸生態系をどのように維持できるかをより深く理解した。測定された元素の 1 つは水銀で、潜在的に有毒な元素で、高濃度で水中に検出された。河川の一般的な溶解水銀含有量は、約 1 ~ 10 ng L-1 (オリンピック プールの塩粒大の水銀量に相当) である。グリーンランドでサンプルを採取した氷河では、科学者らは溶解水銀濃度が 150 ng L-1 を超えており、平均的な河川よりはるかに高いことを発見した。氷河の川を乳白色に見せている堆積物である氷河塵によって運ばれた粒子状水銀は、2000 ng L-1 を超える非常に高い濃度で検出された。研究者らは、水銀濃度が氷床から剥がれ続けるかどうか、またこの氷河水銀が水中の食物連鎖に入り込み、そこで濃縮されることが多いかどうかは不明である。

研究者らは、もちろん、水銀濃度がこれほど高くなる原因について仮説を立てているが、今回の結果から、いまだに答えの出ていない無数の疑問が浮かび上がっていると述べている。グリーンランドの主要産業は漁業で、グリーンランド産のエビ、オヒョウ、タラの主要輸出国でもある。これまでの水銀管理の取り組みは、地球システム全体で見られる水銀濃度の上昇は、主にホーキング博士が言うように、産業の高生産レベルなど、直接的な人為的活動によるものだという考えから生まれた。