英国のエクセター大学と他の大学が主導した研究では、コロナウイルスのパンデミックが始まった最初の数か月間に、70パーセント以上の国の沖合の海域で船舶の動きが大幅に減少したことがわかった。4月には世界的に船舶の動きが減少したが、6月に入ると状況は全く異なり、多くの国でコロナウイルスの制限が解除され、それらの国の沖合で多くの船舶の動きが見られた。しかし、この船舶の動きの減少は、海洋生態系の回復に一部役立った」と、コーンウォールのエクセターにあるペンリンキャンパスの生態学および保全センターの主執筆者であるデビッド・マーチ博士は述べた。「ベニスの運河の水が澄んだという報告があり、バンクーバーでは水中の騒音が減少したという研究結果もある。」
調査では、124か国の排他的経済水域(沖合200海里まで)での船舶移動が70.2パーセント減少したことが判明した。より厳しいCOVID-19制限を設けている国では、貨物船、タンカー、漁船、サービス船、レクリエーション船、旅客船など、すべての種類の船舶で船舶移動の大きな減少が見られた。最も大きく、最も長く続いている減少は旅客船で見られ、タンカー、商船、貨物船、漁船への影響は最も少なかった。西地中海地域(2020年1月から11月)では、4月中旬に船舶移動が最大62.2パーセント減少し、プレジャーボートの移動が93.7パーセント減少するなど、最も減少が大きかった地域の1つとなった。
「長期的には世界中で船舶の移動は増加傾向にあるため、わずかな減少は、本来見られるはずの交通量と比較すると、より重大な減少を意味する可能性がある」とマーチ博士は結論付けた。リアルタイムの船舶交通データは、Exact Earth and Marine Traffic から提供された。